全国の平均時給は1,107円（前月比13円増、前年比52円増）と前月比、前年同月比ともに上回りました。前年同月比では、38カ月連続で上回っています。

　職種別平均時給は、「カフェ・レストラン・ファストフード」など「飲食の職業」1,040円（前月比11円増、前年比48円増）、「サービスの職業」1,211円（前月比5円増、前年比31円増）と、9職種中7職種が、前月より増加しました。前年同月比では、9職種中5職種で増加しています。一方、「事務的職業」では1,150円（前月比21円減、前年比46円増）、前年同月比は大きく上回っているものの、前月比では3か月連続で下回りました。

　関東エリアの平均時給は1,160円（前月比10円増、前年比54円増）、東海エリアの平均時給は1,082円（前月比13円増、前年比55円増）、関西エリアの平均時給は1,120円（前月比21円増、前年比57円増）、九州エリアの平均時給は1000円（前月比30円増、前年比62円増）となり、すべてのエリアで前月、前年ともに上回りました。

■トピックス

　「専門的職業」のうち「看護・介護」の平均時給は1,608円と前月比8.5%増、前年同月比28.6%増と上昇傾向にあり、求人件数は前年同月比305.2%増と大幅に増加しました。介護職は、2019年10月より施行された「介護報酬改定」従業員の資格取得への補助費用や、給与引き上げへ利用したりと、採用活動に活用する企業が目立ちました。今回の施策は消費税の増加に伴う報酬の改定となりますが、介護をめぐる厳しい経営状況を改善して雇用を改善するには不十分であるという見方もあり、今後も深刻な人手不足が予想されます。

　「販売の職業」のうち「食品販売」の求人件数はクリスマスシーズンにむけた短期スタッフの募集を出す企業が増加し、前年比60.3％増となりました。また、ラグビーワールドカップにより外国人観光客の来日も増え、性能も向上し簡単に持ち運べるサイズの翻訳機などを活用する企業も多い中、語学力を重要視した求人も目立ち、「販売の職業」の求人件数は前年同月比28.4％増となりました。東京オリンピックへむけた、さらなる求人の増加が見込まれます。

　求人件数は前年同月比36.0％増となりました。都内のホテルでは、東京オリンピックに向けた客室の値上げを検討している企業が目立ち、それにより給与の引き上げにも影響が出ているようです。「サービスの職業」のうち「清掃」の平均時給は1,000円と前月比1.4％増、前年同月比2.0％増と上昇傾向にあり、今後も時給引き上げによる人材確保に動く企業の増加が見込まれます。

1．小職種別平均時給（2019年10月）

2．高時給職種ランキングTOP10（2019年10月）